この記事では、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の実態や、集められた寄付金が適切に使われているのかなどを紹介していきます。
目次
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」とは?
まずは、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」とはどういったものなのかを解説していきます。
チャイルド・スポンサーシップとは、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンが企画・運営している「海外の恵まれない子どもたちを支援する寄付プログラム」です。
毎月4,500円(1日あたり150円)の定額寄付をすることで、子どもたちを支援することができます。
支援金を定額寄付をしている人(=チャイルド・スポンサー)は、支援地域に住んでいる子ども(=チャイルド)が紹介され、支援金が有効活用されます。
この寄付プログラムで集まった支援金は、子どもやその家族に直接手渡されるのではなく、子どもを取り巻く環境を改善する支援活動に使われます。
支援活動のほとんどは長期的であり、支援金の定額寄付はとても助かるそうです。
また、チャイルド・スポンサーはチャイルドにプレゼントを贈ることができたり手紙を送り合ったり、現地に行って直接会うことができたりなど、様々な交流ができます。
※新型コロナウイルスの影響により、現地へ会いに行くことはできません。最新情報はチャイルド・スポンサーシップ 公式サイト をご確認ください。
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の実態は?
ネットで検索をしてみると「チャイルド・スポンサーシップに参加しても大丈夫?」「チャイルド・スポンサーシップの評判は良い?」といったように、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンやチャイルド・スポンサーシップの実態について気になっている人も多いです。
日本では過去に、寄付や支援と称してお金を騙し取る詐欺集団が話題になったこともありますから「支援したいけど、偽物の組織だったらどうしよう」と不安になられる人もいらっしゃるかと思います。
結論からお伝えすると、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の実態は世界的に信用されていて、多くの人々から称賛されている組織・プログラムと言えます。
例えば、公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受けていることや、活動内容が朝日新聞、下野新聞、東京新聞、毎日新聞、ELLE、FASHIONSNAP.COM、Forbes JAPAN、Yahoo!ニュースなどで報じられていたり、JICA、UNICEF、UNHCR、WFP、ジャパン・プラットフォームなどが協働相手であることなど、社会的信用があることが分かります。
キリスト教とはどういう関係?布教が目的?
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」は考え方の基礎にキリスト教の考え方が反映されています。
しかし、すでに約100カ国で、宗教、人種、民族、性別にかかわらず、すべての子どもたちが健やかに成長できる世界を目指して活動している大きな組織であり、キリスト教の思想を押し付けて布教をしたり、他の宗教を排除することを目的にしていません。
それは、創設者の考え方が大きく関わっています。
ワールド・ビジョンの創設者はボブ・ピアスというキリスト教宣教師。
そのため、活動ビジョンやミッションにキリスト教の考え方が反映されているというわけです。
キリスト教に限定した話ではなく、国際協力の多くは宗教の考え方が設立の基礎になっていることが多いということを理解しておきたいところです。
また、NPO法人を設立するための要件の1つに「法人の主たる目的として政治活動や宗教活動をしないこと」というものがあります。
現在NPO法人として認証されているワールド・ビジョン・ジャパンは、布教活動や特定の政党の支持を目的とした活動をしていないことになります。
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の寄付金、使われ方は適切?
では次に、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の寄付金は適切に使われているのかを見ていきたいと思います。
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンは毎年「年次報告書」を発表しています。
年次報告書は2010年度から報告されており、集まった金額がいくらで、何にいくら使ったのかなどが細かく記載されています。
(NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンはチャイルド・スポンサーシップ以外にも目的やプロジェクト別に複数の募金方法があり、組織全体の活動内容と金額を知ることもできます)
2021年度(2020年10月~2021年9月)の年次報告書によると、経常収益は総額で61億3,725万円でした。
そのうちチャイルド・スポンサーシップの収益の割合は52.4%を占めており、32億1,591万9,000円と算出することができます。
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン 経常収益と主な内訳 |
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61億3,725万円 | |
チャイルド・スポンサーシップ募金 | 52.4%(32億1,591万9,000円) |
補助金等 | 33.1%(20億3,142万9,750円) |
その他の募金・寄付金 | 14.4%(8億8,376万4,000円) |
その他 | 0.1%(613万7,250円) |
参考:NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「2021年度(2020年10月~2021年9月)年次報告書」
※()内の金額は参考元から算出
では、NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の寄付金が実際にどのように活用されているのかを見ていきます。
こちらも2021年度(2020年10月~2021年9月)の年次報告書から。
2021年度の経常費用は59億7,594万円でした。
82.9%(49億5,405万4,260円)が現地事業活動のために使われ、15.5%(9億2,627万700円)が広報活動のために使われており、1.6%(9,561万5,040円)が団体の運営・管理のために使われています。
(ここでいう「現地事業活動のため」には、地域開発援助事業費と人材派遣費が含まれています)
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン 経常費用と主な内訳 |
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59億7,594万円 | |
現地事業活動のため | 82.9%(49億5,405万4,260円) |
広報活動のため | 15.5%(9億2,627万700円) |
団体の運営・管理のため | 1.6%(9,561万5,040円) |
参考:NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「2021年度(2020年10月~2021年9月)年次報告書」
※()内の金額は参考元から算出
集められた資金は、海外の恵まれない子どもたちと子どもたちの住む地域の人々が「未来を切り拓く力」をつけられるように活用されます。
主に、子どもたちを取り巻く環境を改善するために行う「長期的な支援活動」に使われている傾向にあります。
寄付金の使われ方の一例 | ||
教育支援 | 予防接種 | 病気治療 |
職業訓練 | 農業技術指導 | 識字教育 |
保健員・教師の訓練 | 学校建設 | 安全な水の確保 |
保健医療施設の整備 | ローン貸付 | 道路や橋などの修復や建設 |
寄付金の使われ方の一例をご覧になって分かるとおり、「生活環境の改善」「人々の成長」「社会基盤の充実」など、さまざまなシーンに活用されています。
広告活動に15.5%(9億2,627万700円)を使っている。
TVやCMなど大規模な広告にお金を使うことは適切なのか?
ワールド・ビジョンの創設者であるボブ・ピアスは「すべての人々に何もかもはできなくとも、誰かに何かはできる」という考え方を持っています。
アメリカ生まれのキリスト教宣教師である彼は、この考え方をきっかけに団体設立に至ったそうです。
ワールド・ビジョンは、多くの人に「それぞれにできることがある」ということを広く知らせるために大規模な広告にお金を使っているといいます。
NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン「チャイルド・スポンサーシップ」の活動をより多くの人に知ってもらうためにできること。
できるだけ無償で協力してくれる媒体で宣伝する努力もしている組織ですが、大規模な広告を使うことで効果的なタイミングと方法で届けることで救える子どもたちの人数を増やしているとも考えることができます。
ひとりひとりの継続的な寄付金が、海外の子どもたちのために使われる。
こうしている今も各国で活動をサポートしてくれている人がいます。
興味がある方は一度公式ホームページを覗いてみていただけたら嬉しいです。